🎬YouTubeビジネスの学校ポータル

データで見る爆伸びするチャンネルと、伸びないチャンネル。

🗓 2026-08-11

皆さん、こんにちは。

Jです。

今回は、YouTubeをやっている人なら誰もが一度はモヤったことのあるテーマについて。

「同じように頑張っているのに、爆伸びするチャンネルと伸びないチャンネルがあるのはなぜなのか」という話です。

最近で言うと、かずささんのチャンネルめちゃくちゃ伸びていますよね。

たった2本の投稿で登録者1万人です!

すごいっす。

1本目の動画がいきなり31万回再生。

先日出した2本目も6万9,000回再生。※執筆時点で

この数字だけ見ると、「才能があったんだね」とか「運が良かったんだね」で片付けたくなりますよね。

でも私は、この結果を「運」で片付けてしまうのはもったいないと思っています。


① 実は、最初の企画案はまったく別物でした

今でこそ爆伸びしているこのチャンネルですが、かずささんが最初に持ってきた企画案は、今の形とはまったく違うものでした。

当初のかずささんの構想は、「ハワイのなんとなくの映像に合わせて、物語のようなものを朗読するチャンネル」だったんです。

本人としては温めてきた力作のテーマで、「絶対にこれでいきたい」という強い思い入れがあったと思います。

ただ、KYOKOさんと私でミーティングを重ねる中で、正直、伝えにくいことではあったのですが、「これでは伸びないと思います」とはっきりお伝えしました。

まあ、それが仕事なので・・・

論点はいくつかありました。

  • 視聴者が求めていることとズレているのではないか。
  • かずささんが「自分が話したいから話している」内容になっていないか。
  • そもそもこのテーマに興味がある視聴者が見たいのは、本当に朗読なのか。

とはいえ、やっぱり本人のモチベーションのある方向性でしか継続はできないものです。

裏話ですが、正直この時のミーティングでは、かずささんは納得していない様子でした・・・

ですから「どうしてもやりたいなら、やってみたらいいんじゃないですか。ただ、多分伸びないと思いますよ」と、単刀直入に伝えたんですね。

正直しんどかったと思います。(ごめんね)

しかし、結果として、かずささんはチャンネルの方向性を練り直すことを選びました。

ミーティングの中でジャンルとテーマとコンセプトを組み直して、サムネイルの方向性も決めて、動画のテーマも全部その場で出しました。

その設計のまま出した1本目が、31万回再生です。

後日、かずささんはチャットワークで「あの時、先生方の方向性に従って本当に良かった」と言ってくれてましたね。

私もこの言葉は嬉しかったですね。


② 伸びないチャンネルに共通する、たったひとつのこと

ではなぜ、当初の「朗読チャンネル」では伸びないと言えたのか。

まず大前提として、知らない人の日常や作品を、赤の他人がわざわざ見る理由は、原則ありません。

厳しい言い方ですが、あなたが有名人でない限り、視聴者は「あなた」を見たいわけではないんですよ。

よく SEO 時代やブログをやっていた頃は、「自分語りは万垢になってからしろ!」みたいな有名な言葉もありましたよね。

じゃあ、伸びているVlogの視聴者は何を見ているのか。

私は「その人にしか見せられない景色」だと思っています。

海外の事例で言うと、韓国に「コリア・グランマ」と呼ばれる70代のYouTuberがいます。

71歳のときに初めて投稿した旅行Vlogがいきなりヒットして、今や登録者100万人を超える人気チャンネルです。

視聴者のコメントで象徴的なものがありました。

「おばあちゃんの目を通して世界を見るのが新鮮だ」と。

つまり視聴者は、パク・マンネさんという個人を見に来ているのではなくて、「70代の目に世界はどう映るのか」という視点を見に来ているんです。

かずささんのチャンネルも構造は同じです。

「60代でハワイに暮らす」という視点そのものが、「このチャンネルの価値」ってことです。

同世代の人にとっては「ありえたかもしれない自分の未来」であり、下の世代にとっては「憧れの暮らし」になる。

だから、探してもいなかった人のホーム画面に表示されたときに、思わずクリックされる。

当初の朗読チャンネル案の問題は、まさにここでした。

朗読チャンネルの中核的な価値は、読み上げているその話のテーマそのものなわけです。

でも、それがいいものだと判断しているのは、かずささん本人なわけで。

私たちの目から見ても、ハワイというシチュエーションと、その朗読のテーマと、それに興味のあるペルソナが本当にそれを求めているのか、という3つが全くリンクせず、ピンとこなかった。

かずささんが話したいことを優先した結果、視聴者が見たい理由が消えているような気がしたんですね。

「自分が話したいことを話してしまう」

これ、自分では本当に気づけないんですよ。

ちゃんと、自分では画面の向こうにいる相手のために語っているつもりになってしまうところが一番怖い。

誰にでも起こることですし、思い入れが強いテーマほど起こります。

だからこそ、外からの目が必要ですよね。


③ 分かれ道になったのは、才能ではなく「素直さ」でした

もうひとつ、今回の件で私が大事だと思ったことがあります。

かずささんは、力作の企画を否定されたわけです。

普通なら反発したくなりますよね。

「せっかく考えてきたのに」と。

でもかずささんは、一旦それを受け入れて、半信半疑でもいいから言われた通りにやってみる、という選択をしました。

誰かの指導を受けるというのは、突き詰めると「一旦、自分の考えを脇に置けるかどうか」だと思うんです。

納得しきってから動くのではなくて、半信半疑のまま動いてみて、結果で納得する。

この順番を受け入れられる人は、伸びるのが本当に速いです。

逆に、アドバイスをもらっても「でも自分はこう思うので」と元のやり方に戻ってしまう人は、何年やっても同じ場所にいることが多い。

これは能力の問題ではなくて、姿勢の問題ですよね。


④ ただし、素直にやれば必ず伸びるわけでもない

ここまで読むと、「視聴者目線で設計して、素直に実行すれば伸びる」という結論に見えるかもしれません。

でも、まあ違います。

そんなに単純なら誰も苦労しません!

素直に、愚直にやってくれているのに、なかなか伸びないチャンネルも実際にあります。

ただ、ここでいう「伸びない」が何を指すのかは、分けて考えないといけません。

再生数が少ないことなのか。

チャンネル登録者が増えないことなのか。

リストが取れていないことなのか。

それとも、売上が上がっていないことなのか。

YouTubeをビジネスとして使うなら、最終的な成功は、再生数や登録者数ではなく「目的を達成できているか」で決まります。

極端な話、再生数や登録者数が少なくても、リストがバンバン取れて売上が上がっているなら、そのチャンネルは成功しています。

逆に、何十万回再生されても、リストも売上も生まれていないなら、ビジネスチャンネルとして成功しているとは言い切れません。

なので、ここではいったん「再生数や登録者数が増えていない」という意味での伸び悩みについて話します。

まず、こういった分かりやすい数字がみんなが「すげえー!!」って思うような大きな数字にならないのは、何かを教える系のテーマを選んでいるチャンネルです。

これはその人たちの実行力の問題ではなくて、ジャンルの構造の問題だと私は考えています。

ハウツー系の動画は、基本的に「その悩みを検索した人」しか見に来ません。

ハウツー系の動画がレコメンドで流れてきても、なんとなくホーム画面を見ていて「勉強しよう」という気持ちになったことのある人は、ほとんどいないですよね。

大体こういう系の動画は、目的意識を持って見に来る人が多いんです。

つまり市場の大きさが、最初からある程度決まっているっていうことですよね。

これは「実態は何かを教える系の「How To 系」をテーマにしているチャンネルなんだけど、和らげるために素材を Vlog にしている」みたいな場合も同じだと思います。

結局は「ビジネス系チャンネル」っていう感じで。

一方でVlogのようなジャンルは、探してもいなかった人のホーム画面にアルゴリズムが配ってくれる。

天井の高さが、そもそも違いますよね。

かずささんの31万回という数字も、まさに「探していなかった人」に届いた数字です。

同じ努力量でも、青天井の市場で戦うのと、天井の決まった市場で戦うのとでは、出てくる数字がまるで違います。

さらに言うと、ハウツー市場は今、向かい風も吹いています。

ちょっとした調べ物ならAIに聞けば数秒で答えが返ってくる時代になって、既存の情報をなぞっただけのハウツー動画は、視聴者からもYouTubeからも選ばれにくくなってきています。

じゃあハウツー系は駄目なのかというと、そうではありません。

もし私が今から YouTube チャンネルを立ち上げてやるとしても、絶対にハウツー系でやります。

なぜなのか?

検索から来る視聴者というのは、明確な悩みを持って自分から探しに来た人たちです。

視聴者としての「濃さ」が全然違う。

それに、検索経由で来るチャンネルや動画は長持ちします。

その検索キーワードに需要がある限り、1年でも2年でも置いておけば勝手に視聴者を連れてきてくれますからね。

ビジネスとして考えるなら、なんとなく見に来たたくさんの人より、切実な悩みを検索してたどり着いた100人の方が、商品やサービスにつながることは普通にあります。

ただし、これにも条件があります。

いくら視聴者が濃くても、絶対数が少なすぎればリストは積み上がりません。

リストが積み上がらなければ、当然、商品も売れません。

「濃ければ少なくてもいい」が成立するのは、あくまで最低限の母数が確保できている場合の話です。

つまり、ハウツー系のチャンネルは「伸びていない」のではなくて、「Vlogとは違う伸び方をする市場にいる」だけなんです。

問題なのは、天井の決まった市場にいながら、青天井の市場の伸び方を期待してしまうこと。

正直、ノウハウ系ゴリゴリのうちのチャンネルが、かずささんのチャンネルみたいな伸び方を万が一したとしたら、単月で10億円ぐらいの売上が上がるでしょうね・・・

その前に、悪目立ちして炎上すると思うので、そういう伸び方は、このジャンルではしない方が望ましいですが。笑

つまり、比べる相手を間違えると、正しくやれているのに「自分は失敗している」と誤解してしまうので、注意ってことです。


⑤ では、どこで見切りをつけるべきなのか

とはいえ、動画制作には労力がかかるのに、毎回全然伸びないと萎えてしまいますよね。

では、どのぐらいの数字だったら以下のような判断をすべきなのか、その基準が気になるところです:

  • チャンネルを作り直した方がいいのか
  • 方向転換した方がいいのか
  • コンセプトを見直した方がいいのか

先に正直に言っておくと、「何本出して何回再生以下なら作り直し」という公式の基準は、どこにも存在しません。

YouTubeが発表しているわけでもないし、誰かが証明したわけでもない。

ただ、判断の材料になるデータと考え方はあります。

まず知っておいてほしいのが、YouTube全体の分布です。

研究者がランダムサンプリングでYouTube全体を調べた結果があるんですが、全動画の視聴回数の中央値は、なんと35回です。

100回未満の動画が全体の65%を占めます。

そして1万回に届く動画は全体のわずか3.7%。

ところが、その3.7%が全視聴の93%以上を集めているんです。

つまり「再生回数100回以下」は、失敗でも異常でもなくて、YouTubeのデフォルトなんですよ。

問題は、ずっとそんな感じが続くってことですよね。

視聴の9割以上が上位数%に集中する世界では、デフォルトの側に留まったまま本数だけ重ねても、リストは集まらないし、ビジネスにもつながりません。

じゃあ、いつ判断するのか。

今のYouTubeは、チャンネルの大小に関係なく、動画1本1本をその動画自体の成績で評価します。

1本ごとに平等にテストされているわけです。

だから、5本も出せば企画の方向性が合っているかの傾向は見えてきますし、実務家の間でも「方向性の検証は数本単位で、1〜2本の不発では判断しない」というのが共通の相場観です。

100本出してから考えるのは、正直、遅い。

ここからは公式の基準ではなく、あくまで私個人の基準として書きますが、私なら、10本出して全部が100回以下だったら、コンセプトを練り直して、チャンネルを作り直します。

(当然100回以下しか再生されないよね、という超ニッチを狙っているなら話は別ですけど。)

10回連続で市場から同じ返事が返ってきているなら、それはもう運や誤差ではなくて、企画そのものへの答えだと受け取るべきです。

ただし、作り直す前に、ひとつだけ見ておいてほしいことがあります。

アナリティクスで「どこがボトルネックだったのか」を確認することです。

そもそもインプレッション(表示回数)がほとんど出ていないなら、そのテーマに需要がないか、誰に向けた動画なのかYouTubeが判別できていない。

これはコンセプトの問題なので、作り直しレベルです。

表示はされているのにクリックされていないなら、それはサムネとタイトルの問題。

クリックはされているのにすぐ離脱されているなら、中身が入口の約束とズレている。

この2つは、チャンネルを作り直さなくても修正できますよね?

あなたのチャンネルは今、視聴者が見たい理由から設計されていますか。

伸びていないなら、それは市場からの答えをもう受け取っているのに、読まずにいるだけかもしれません。

もし答えに詰まったなら、それは諦めるサインではなくて、練り直すタイミングなのだと思います。

今日はこのあたりで。

また次回。